高血圧下げる 食事

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高血圧下げる食事とは?

まず「血圧」とは、血液が流れる時に血管の壁にかかる圧力のこと。そして「高血圧」とは、この血管の壁にかかる圧力(=血圧)が高い状態が続く症状を指します。

 

 

心臓のポンプ作用で、血液は押し出されるように全身に網羅された血管へと運ばれていきます。心臓が収縮して血液を押し出す時の血圧が最大となり、これを「収縮期血圧(最高血圧)」といいます。逆に心臓が拡張する時には血圧が最小となるので、これを「拡張期血圧(最低血圧)」と呼んでいるのです。

 

 

 

高血圧の症状として、めまい、耳鳴り、頭痛、胸痛、動悸などを伴う場合があります。しかしこれらの症状は、高血圧に限らずストレスや疲労が原因でも起きるもの。「高血圧だ!」と感じ取れる特徴だった自覚症状は現れません。この自覚症状がないからこそ、知らぬ間に進行する高血圧の悪影響は危険なのです。

 

 

高血圧の判定基準

「高血圧治療ガイドライン2014(日本高血圧学会)」による高血圧の判定基準値は、「診察室血圧値」においては【収縮期血圧(最高血圧)で140 mmHg以上/拡張期血圧(最低血圧)で90mmHg以上】です。「家庭血圧値」では、【収縮期血圧(最高血圧)で135 mmHg以上/拡張期血圧(最低血圧)で85mmHg以上】となっています。

 

 

 

なお、血圧は、加齢とともに高くなる傾向にあります。男性では20代で128 mmHgが60代では156 mmHgまで、女性では20代で121 mmHgが60代では158 mmHgまで、加齢とともに高くなっていくのです。

 

 

 

さて、今のあなたの血圧はどのくらいですか?若い時でも血圧が高くて放置しておくと、加齢とともにさらに高くなっていきます。

 

 

高血圧になる原因

高血圧を促進する物質の代表として、「塩化ナトリウム」「中性脂肪」「LDL(悪玉)コレステロール」「活性酸素」などが挙げられます。

 

 

 

塩化ナトリウムは、高血圧の最大の敵です。塩分の過剰摂取で血液中のナトリウム量が増えると、塩分を薄めるために体内から水分が血液に吸収され、血流量が増加して血管壁を圧迫して高血圧を引き起こします。

 

 

 

中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールは、血液をドロドロにして血流を悪くします。またLDL(悪玉)コレステロールは、血管壁にこびりついて血栓を作ります。この血栓は血液の通り道を狭くしてしまうとともに、血管の柔軟性を損なって硬くしてしまいます。

 

 

 

活性酸素が血液中に増えてしまうと、その強力な酸化作用で血管の細胞を傷つけてしまいます。また血液中のコレステロールをLDL(悪玉)に変質させ、血液をドロドロにしたり、血栓を作ったりします。

 

 

 

つまり高血圧の原因とは、塩化ナトリウムや中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロール、そして活性酸素などが、体内で増え過ぎるような好ましくない食生活にあるのです。

 

 

高血圧が誘発する危険な合併症

 

 

 

高血圧は単独よりも他の疾患との合併症として現れやすい症状です。合併しやすい疾患とは、脂質異常症(高脂血症)糖尿病です。単独であっても危険な高血圧は、合併することでそのリスクをより高めてしまいます。

 

 

 

肥満症の人が、高血圧と脂質異常症と糖尿病の3つの内2つを合併すると、メタボリックシンドロームと診断されます。複数の疾患を併せ持つメタボリックシンドロームは、動脈硬化を引き起こす危険リスクをさらに高めてしまうのです。

 

 

 

動脈硬化は、脳卒中や心疾患などの死に直結する重篤な疾患に至る引き金となります。ちなみに日本人の死亡率順位のワースト3は、@がん(悪性新生物)30.1%A心疾患(狭心症、心筋梗塞)15.8%B脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血)10.7となっています。

 

 

 

このように動脈硬化が引き起こす心疾患や脳卒中の最大の危険因子が高血圧なのです。

 

血圧を上げる原因となる食事や食品

 

 

 

高血圧になる人は、動物性脂肪の多い肉類や油っぽい揚げ物、また味の濃い料理や、インスタント加工食品や漬物などの塩漬け加工食品を好む傾向が強いといわれています。

 

 

 

具体的に列挙すると以下のようになります。

 

・塩分(ナトリウム)の摂り過ぎ

 

・動物性脂肪食品や甘い炭水化物(糖質)の摂り過ぎ

 

・野菜、海藻、果物などの摂取不足によるビタミンやミネラルの欠乏

 

・総カロリー量の過剰摂取 (アルコール含む)

 

 

塩分(ナトリウム)の摂り過ぎ

塩分(ナトリウム)の摂り過ぎは、血圧を上げる最大の原因となります。ではなぜ塩分の摂り過ぎは血圧を上げてしまうのでしょうか?その理由は3つです。

 

 

1.血液量が増え過ぎて血管を圧迫する

塩分を摂り過ぎると喉が渇きます。これは、血液内に増えたナトリウムを薄めようと水分が体内から血液に運ばれるためです。水分で薄められた血液量が増えて、血管を圧迫し血圧が上がるというしくみです。

 

 

2.血管癖がむくみ、血管が狭くなる

血液内に増えたナトリウムは、水分とともに血管癖の細胞に取り込まれ、血管癖がむくんで膨張します。つまり、血管の血液の通り道が狭くなり血圧が上がってしまいます。

 

 

3.自律交感神経を刺激して血管を収縮させる

血液中に増え過ぎたナトリウムは、自律神経の交感神経を刺激します。交感神経には、血管を収縮する作用があり、血圧を上げる原因となってしまいます。

 

 

動物性脂肪食品や甘い炭水化物(糖質)の摂り過ぎ

「動物性脂肪食品」や「甘い炭水化物(糖質)」の摂り過ぎは、中性脂肪やコレステロールを増やします。血液中に増えた中性脂肪やコレステロールは、血流をドロドロ(脂質異常症)にするとともに、血管癖の血栓などの原因となり血圧を上げてしまいます。

 

 

植物性食品の摂取不足によるビタミンやミネラルの欠乏

ここでいう植物性食品とは、野菜類、キノコ類、海藻類、果物類などのこと。これらの食品に含まれるビタミンやミネラルは、炭水化物(糖質)や脂質(脂肪分)をエネルギーに転換する代謝活動を補完する役割を持っています。これらの栄養素が不足すると、余計な中性脂肪やコレステロールが体内に蓄積され、血圧を上げる原因となってしまいます。

 

 

 

またこれらの植物性食品には、食物繊維ポリフェノール類カリウムマグネシウムフコイダン(海藻)などの、直接的または間接的に血圧を下げる効果のある成分が多く含まれています。不足すると逆効果となり血圧を上げてしまいます。

 

 

総カロリー量の過剰摂取 (アルコール含む)

慢性的な総カロリー量の過剰摂取は、内蔵脂肪型肥満メタボリックシンドロームを誘発します。体重の増加は、心臓が送り出す血液量と比例するため、心臓に負担を与えて、血圧を上げる原因となります。また総カロリー量の過剰摂取は、中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを増やし、血圧を上げる原因となるので注意が必要です。

 

 

高血圧を下げる効果的な食事方法

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高血圧患者の医療機関での治療は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つで行われます。しかし健康な人であっても、高血圧の予防策として優先的に重要なのは食事の改善です。「血圧を下げる食事の仕方」であり、「血圧を下げる効果のある食品を摂取」することでもあるのです。

 

 

血圧を下げる食事の仕方

1.塩分(ナトリウム)の摂取を控える

厚生省の食事摂取基準では、健康な人の1日の塩分(ナトリウム)の摂取推奨量を【男性で8g未満、女性で7g未満】としています。また既に高血圧の患者への推奨量は【男女とも16g未満】となっています。日本人の塩分(ナトリウム)摂取量は他国に比べて多く、平均で1日10g程度となっています。あなたは、摂り過ぎてはいませんか?

 

 

2.動物性脂肪や甘い炭水化物(糖質)を含む食品を控える

動物性脂肪(バター・肉の脂身など)や甘い炭水化物(糖質)の過剰摂取は、血液中の中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを増やし、血流をドロドロにしたり、血栓を作ったりして、血圧を上げる原因となります。

 

 

3.適正な総摂取カロリー量を守る

健康な人の適正な摂取カロリー量の計算式は以下のとおりです。「適正体重」とは、「身長に応じたあるべき体重」のことで「BMI値=22」が理想とされています。「適正摂取カロリー量」=「適正体重」×「基礎代謝基準値」×「身体活動レベル値」となります。

 

 

 

例えば、身長が160cmの30〜49歳の男性で身体活動が普通レベルである人をモデルとすると、基礎代謝基準値は22.3、身体活動レベル値は1.75です。したがって「適正体重」=1.6(身長)×1.6(身長)×22(理想BMI値)=56.3kgとなり、「適正摂取カロリー量」=56.3(適正体重)×22.3(基礎代謝基準値)×1.75(身体活動レベル値)=2197kcalとなります。

 

 

4. 血圧を下げる効果のある食品を積極的に食べる

野菜類や海藻類、キノコ類や果物類などの植物性食品、そして青魚を代表とする魚介類には、血圧を下げる効果のある成分が豊富に含まれています。これらの植物性食品や魚介類を積極的に食べることは、すでに高血圧になっている人の改善策だけではなく、健康な人が高血圧になることの予防策としても、高い効果が期待できます。

 

 

血圧を下げる効果のある食品

カリウムを多く含む食品

カリウム」には、体内に残された余分な塩分(ナトリウム)を排泄し、血圧を下げる効果的作用があります。

 

 

 

「カリウムを多く含む食品」には、野菜類ではパセリ、唐辛子、ユリネ、ニンニク、枝豆、ホウレン草、キャベツ、カボチャなど。海藻類では昆布、ワカメ、海苔など。豆類では納豆、大豆、いんげん、あずきなど。果実・種実類では、アボガド、ブドウ,柿、落花生、アーモンド、ゴマなど。魚介類ではサワラ、アユ、アジ、カンパチ、ブリなどがあります。

 

 

マグネシウムを多く含む食品

マグネシウム」には、血管細胞の収縮(=高血圧)を促進するカルシウムの過剰吸収を抑制し、血圧が上がるのを防ぐ効果があります。

 

 

 

「マグネシウムを多く含む食品」には、野菜類ではホウレン草、ゴボウ、オクラ、パセリなど。海藻類ではアオサ、昆布、ワカメ、海苔など。豆類では大豆、豆腐、納豆、油揚げなど。果実・種実類では、ゴマ、アーモンド、落花生など。魚介類では干しエビ、スルメ、アサリなどがあります。

 

 

水溶性食物繊維を多く含む食品

水溶性食物繊維」には、そのネバネバした成分の吸着力でナトリウムを体外排泄し血圧を下げる効果コレステロール値や中性脂肪値を下げる作用があります。

 

 

 

「水溶性食物繊維を多く含む食品」には、野菜類ではニンニク、らっきょう、オクラ、ユリネ、ゴボウ、山芋など。海藻類ではメカブ、ヒジキ、ワカメ、モズク、昆布など。果実類では、キウイ、バナナ、リンゴなど。そして豆類の納豆などがあります。

 

 

 

なお、メカブやモズク、昆布などのヌルヌル成分である「フコイダン」には、血圧降下作用コレステロール吸収抑制作用があることが、近年注目を浴びています。

 

 

ポリフェノールやビタミン(ACE)の抗酸化物質を多く含む食品

ポリフェノール」や「ビタミン(ACE」の持つ抗酸化作用は、活性酸素による酸化で生成される「過酸化脂質」が血液の凝固を促進する作用を抑止します。

 

 

 

「ポリフェノールを多く含む食品」には、ブロッコリー(ルチン)、玉ねぎ(ケルセチン)、ゴボウ(タンニン)、ホウレン草(シュウ酸)、みかん(へスぺリジン)、いちご(エラグ酸)、ぶどう(アントシアニン)、緑茶(カテキン)、納豆(イソフラボン)など多種多様です。

 

 

 

「ビタミン(A・C・E)を多く含む食品」は、野菜類や果物類に多くありますが、3つを同時に含む食品としては、ピーマン、カボチャ、ホウレン草、小松菜、ニラ、イチゴ、みかん、ぶどうなどがあります。

 

 

オメガ3系不飽和脂肪酸を多く含む食品

オメガ3系不飽和脂肪酸の代表格といえば、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」。このDHAやEPAには、血管をしなやかにする効果やLDL(悪玉)コレステロール値を抑制する効果があり、血流をサラサラにして血圧を下げる効果が期待できます。

 

 

 

DHAやEPAを多く含む食品には、イワシ、サンマ、サバ、アジ、カツオ、マグロ、ブリなどのいわゆる青魚があります。

 

 

その他の血圧を下げる効果が大きい食品

玉ねぎ」に含まれる「硫化アリル」は、血液の凝固を溶かしたり、血中の中性脂肪やコレステロールの量を減らしたりして、血液をサラサラにする効果があります。

 

 

 

」は血液をサラサラにしたり中性脂肪を減少させたりして、血流を良くする効果があることが、研究で判明し注目を浴びています。

 

 

 

ヨーグルト」に含まれる「乳酸菌」は、腸内フローラの善玉菌となり、腸内環境を整えるとともに、血流を改善し血圧を下げる効果があります。

 

 

 

納豆」に含まれる「ナットウキナーゼ(納豆菌)」は、血管壁の血栓の生成を抑制し、血流を良くする効果があります。

 

 

高血圧を下げる食品を使った簡便レシピ

 

 

 

高血圧を下げるためには、「血圧を下げるための食事」が大切です。食事では減塩のための塩分管理が非常に重要です。そこで、自分なりの塩分量を記載したレシピを用意しておくと安心です。

 

 

 

食事1回当たりの塩分摂取量の目安は、【健康な人で2.5g未満】、【高血圧の人で2g未満】となります。この範囲内で減塩した調理法でのレシピがあると便利です。ネットで紹介されているレシピの中から、塩分量が記載されているものを探し、自分好みのメニューを選択しておくと便利です。

 

 

高血圧を下げる簡便レシピのポイント

高血圧を下げるための食事は、毎日、毎回のコンスタントな持続が大切です。そのためには、自分なりの簡便レシピを用意しておくことがカギです。高血圧を予防・改善するための簡便レシピについて、その食品の選び方・献立・調理法などについてのポイントをお伝えします。

 

 

 

・材料には、「血圧を下げる効果のある食品」から選んで組み合わせる

 

・材料には、「塩漬けされた加工品」は避けて、できるだけ生の状態で使う

 

・味付けには、「減塩調味料」を使用する(しょうゆ、味噌、ソースなどの減塩タイプ)

 

・味付けには、「+お酢」を意識して活用する(効果倍増

 

・煮物や汁物には、「天然だし」を活用する(昆布、かつお節、だし椎茸など)

 

・減塩での「薄味でも美味しい」と感じられる調理の工夫をする

 

 

まとめ

高血圧は加齢とともに進行し、自覚症状もないまま突然の動脈硬化による心疾患や脳卒中を引き起こす危険因子です。高血圧を下げるためには、毎日の食事の仕方が大切です。血圧を上げる食品と血圧を下げる食品について良く理解した上で、食事内容を工夫することが高血圧を予防・改善できる効果的な近道です。